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2011-01-10 19:07 | カテゴリ:Books
小説は歴史より奇なり!

 私の大好きな作家隆 慶一郎の代表作の一つ『影武者徳川家康』。この本、何度読んでも面白いです。ちょうど今大河ドラマで『江』をやってますが時代的には同じです。

 戦国武将に影武者あり…。有名なのは武田信玄。弟武田信廉が影武者を務めたといいます。弟なんでけっこう似ていたでしょうね。黒澤明の『影武者』では信玄そっくりのコソ泥が影武者となりました。

 徳川家康にも影武者がいた事は有名です。記録では家康が晩年、「ワシは幼い頃、願人坊主に売られたことがある。」と述懐しています。織田・今川の間を人質としてたらいまわしにされたとはいえ、三河の大名の息子が売られるはずはない…。ですから晩年の家康は家康ではない、影武者だという説が古くからありました。

 それにしても自分にそっくりな人間はこの世に3人はいるといいますが、双子でもない限り、見分けがつかないわけはありません。ちなみにこの時代の影武者は、本人と見分けがつかないそっくりさんである必要はないそうです。極端にいえば、ある程度体格が特殊でない限り、全くの別人であっても構わないわけです。何でって、そりゃあ。今と違って情報が発達していませんから、大名の顔を知っている人間が何人いたかということ。こりゃあもう、身内と側近中の側近だけといっても過言ではありません。いくらそっくりさんでも、こんな人たちの目を欺けないですよね。たとえ双子でも、友人たちはきちんと認識するのと同じです。要するに大名らしい、同じ服装のやつが2人並んでいたら、暗殺者はまず躊躇します。「…どっちだよ?」って。そうすれば、厳重な警護の中2人まとめて始末するのは困難。だから、その程度だったのではないでしょうか。

 この小説では、家康の影武者となる世良田二郎三郎元信は、元野武士で「道々の者」と呼ばれる漂白の民。つまり誰も主として仰がず、自由を愛する存在。この彼が、何よりも不自由な影武者に仕立てあげられます。

 そして、物語冒頭の関が原の戦い開戦直前に本物の家康が暗殺される、そこから彼が家康として生きる羽目になるというお話。影武者になった頃の二郎三郎は、正直腑抜けのような生き方をしていましたが、若い頃は何と伊勢長島一揆で、織田信長を狙撃しようとしたほどの鉄砲の名手。家康死後、二郎三郎を亡きものにしようとする、家康の息子秀忠との15年に及ぶ戦いが、彼に野武士時代の嗅覚を呼び覚まします。

 秀忠の命で、二郎三郎の命を執拗に狙う柳生宗矩率いる裏柳生軍団が暗躍。自由な世界“公界”を作りたいという二郎三郎の夢に共感し、家康暗殺の黒幕、関が原で戦死したはずの西軍の猛将島左近や風魔小太郎率いる忍者軍団が仲間となります。柳生十兵衛や、松平忠輝やキリシタンたちが絡む壮大なお話ですので、戦国のゲームが好きな方々も手に汗握る展開です。

 もちろん、話としては作者のフィクションたっぷりですが、“網野史学”の世界観と、実在の資料を上手に提示することで、読者をこの魅力あふれる世界にを引きずりこんでいます。
 
 『影武者徳川家康』は原哲夫により漫画化されています。こちらは、ケンシロウのような家康が違和感ですが、話的には良い感じでした。しかし少年漫画に連載したせいか、人気低迷であえなく物語の冒頭で打ち切り。その後、今は亡き月刊ジャンプで、『左近~戦国風雲録 影武者徳川家康外伝』を刊行。こちらは、島左近を主人公に北斗の拳ばりのアクション中心の展開。最後には左近配下の忍び、甲斐の六郎(家康暗殺実行犯、後に二郎三郎の警護担当)にいたっては“北斗剛衝波”のような技までマスターする展開に。もうこれは影武者家康ではありません。 

 また、テレビ朝日で全10話のドラマ化もされており、高橋英樹主演でしたが、頑張ってはいたものの残念な映像化でした。島左近が寺田農というのも、あまりにも渋すぎて、とても関が原で、東軍の兵士を恐怖で凍りつかせた猛将には見えません。しかも最終回死んでしまうし…。

 この小説のラストシーンが私は大好きです。同氏の『一夢庵風流記(花の慶次の原作)』のラストシーンにも通じる素敵なラスト、ぜひ味わって欲しいものです。

 『影武者徳川家康』、大河ドラマにいかがでしょうか。家康も本多忠勝も、織田信長も石田三成、柳生十兵衛、風魔小太郎、松平忠輝など有名歴史上人物も多数登場します。一年間分のボリュームもたっぷりあります。しかも、毎回毎回、手に汗握る展開なんで、次週が気になりそうですし。

 ただ、主人公二郎三郎役…どうしても西田敏行くらいしかイメージ出来ないんですが、皆さんいかがでしょうか。
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