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2009-05-09 11:52 | カテゴリ:Books
葉隠れの世界

 個人的に好きな作家に隆慶一郎氏がいます。最近ではパチスロで有名になった漫画『花の慶次』(原哲夫作)の原作『一夢庵風流記』の作者といえば、わかるでしょうか。
 氏の作品はそのほとんどが、戦国時代末期~江戸初期を舞台とした時代小説で、いずれも網野史学を下敷きとした「道々のもの」や、「いくさ人」と、時の権力者との闘いをテーマとしたものです。ですから読むといつもの『隆慶一郎ワールド』なので、妙な安心感があります。

 学生時代から氏の作品は好きであれこれ読んでいたのですが、困った事に氏はもともとTVや映画の脚本の仕事をされていて、60才の時に作家デビューをした、いわば“遅れてきた新人”でした。その後、読者をうならせる作品を連発するも、その執筆活動は約5年で終止符を打たれてしまいました。平成元年の11月に急逝されたからです。ですから、その作品の中には『未完』というものもいくつかあります。この『死ぬことと見つけたり(上・下)』(新潮文庫)もそんな未完作品の一つ。


 『未完』とわかっているので、きっと悔しい想いをするであろうから、この作品はあえて手を出してませんでしたが、ちょっと前に知り合いが、「隆慶一郎好きだったよね、あげる。」と人の気も知らずにくれました。

 まいりました。読んだら面白いこと面白いこと。お話は江戸初期の佐賀藩が舞台。主人公は鉄砲の名手佐賀藩浪人斎藤杢之助とその莫逆の友である佐賀藩士中野求馬。そして杢之助に惚れ込んだ浪人牛島萬右衛門の三人。杢之助は毎朝、起きると布団の中で、あらゆる死を想定し、シュミレーションして毎朝「死んでいる」という設定。そして3人とも本物の「いくさ人」なので、とにかくやることが尋常ではない。正直言って滅茶苦茶・出鱈目なのだ。頁をめくるたびに、その滅茶苦茶ぶりが逆に、『痛快!』に感じてきます。

 話は佐賀鍋島藩を取り潰そうと暗躍する老中松平信綱(智恵伊豆)とそれを食い止めようとする鍋島藩主勝茂、そして杢之助ら三人の活躍を描いており、全十八話で完結する予定でした。上巻が終わり、下巻に入ると、老中信綱との闘いも次第に苛烈になってきます。そして第十五話、宿敵信綱への大きな切り札を手にした、杢之助らがいよいよ最後の闘いに乗り出す!という展開でいきなりの“終了…”。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!どうなるんだぁぁぁぁぁぁああ!!!」

無茶苦茶気になるじゃないですかぁぁああ!

 解説には親切に第十六・十七話のシノプシスが掲載されているので、おおよそのあらすじはわかるようになってます。しかし、このクライマックスをあらすじで知ってもなぁ…。しかも最終話である第十八話にいたってはシノプシスすらありません。編集部に氏から伝えられたおおよそのあらすじが語られてますが、細部まではよくわかりません。

 「…やっぱり、読むんじゃなかった…。」これは悪い意味じゃなく、面白すぎるのでどうしてもラストが気になるじゃないか。

世の霊媒師さん、隆慶一郎氏の降霊でもして、あと三話だけ執筆してもらえないでしょうかね。天国の氏も続き書きたがってるんじゃないですか。

 『死ぬことと見つけたり』を未読の方、是非手にとって頁をめくって下さい。絶対読んだことを「後悔」すること間違いありません!是非私と共にこのモヤモヤ感を共有しませんか?
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